8月 13, 2011
地方分権を数字で考える

私が政治家を志す前に地方分権について書いた記事があるので、再掲します。過去掲載した記事は、内閣府のソースがリンク切れとなっているので、改めて県民経済計算を探したのですが平成18年度のデータは見つかりませんでした。以下、過去の記事をそのまま掲載しますが、数字はこちらの平成20年度版県民経済計算をご参照下さい。また執筆当時に比べ為替レートが極端に変わっているので、現時点では厳密性に欠けますが、イメージをつかむには十分だと思います。

・・・余談ですが、2003年当時は1ドル146円!


以下、転載。

地方分権は様々な文脈で語られるため、同床異夢と言う状況ではないでしょうか?
そこで地方分権の姿を数字で把握してみたいと思います。
県民経済計算という、統計データがあります。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kenmin/h18/gaiyou1.pdf(※リンク切れです)

今回の目的は都道府県の比較なので、概要1の名目値※だけで十分でしょう。(※名目値とは「その年の金額」を表したものです。これに対する概念が実質値で、これはある年の金額を基準として物価の変動を加味したものです。経済成長など時間軸に沿った動きで分析する際には実質値を使います)
まずは平成18年度の名目GDP(全国)を把握すると、512兆円。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h18-kaku/071226/point.pdf(※リンク切れです)

ところが県民経済計算の概要1「表-1都道府県別県内総生産(名目、10億円)」の右上の表の合計欄を見ると519兆円となって誤差が生じています。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kenmin/h18/gaiyou1.pdf(※リンク切れです)

ここでは後者の519兆円を名目GDPとして採用して議論します。
まず特徴的なことは、東京都がダントツの金額だと言うことです。
東京都が92兆円で、東京都だけで実に18%を占めているのです。
東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県では164兆円で32%。
実に全国の3分の1が1都3県で占められているのです。
金額でグルーピングすると、
(1)東京(全国の18%)
(2)大阪、愛知、神奈川(全国の6〜7%)
(3)埼玉、千葉、兵庫、福岡、静岡、北海道(全国の3〜4%)
(4)茨城、京都、広島(全国の2%)
(5)5〜9兆円台(全国の1〜2%未満)
(6)5兆円未満(全国の1%未満)
といった感じです。
この経済規模が海外であれば「どんな国に相当するのか」を調べてみます。今回はイメージをつかむためなので、厳密なデータではなくざっくりとした数値の比較で構わないでしょう。
「2003 GDP」で検索したら、下記のサイトがヒットしましたので、これをベースに上記(1)〜(8)のイメージを描きます。

http://www.theodora.com/wfb2003/rankings/gdp_2003_0.html

※1ドル146円換算となりますが、円安の時期なので、厳密性には欠けますが妥当性のある数字でしょう。
経済規模に応じてイメージしやすい国をピックアップすると、こんな感じです。
(1)東京(全国の18%)
   → インドネシア、オーストラリア
(2)大阪、愛知、神奈川(全国の6〜7%)
   → エジプト、サウジアラビア、マレーシア
(3)埼玉、千葉、兵庫、福岡、静岡、北海道(全国の3〜4%)
   → ノルウェー、ベネズエラ、イスラエル、ナイジェリア、シンガポール
(4)茨城、京都、広島(全国の2%)
   → スリランカ、ミャンマー
(5)5〜9兆円台(全国の1〜2%未満)
   → イラク、ネパール
(6)5兆円未満(全国の1%未満)
   → 北朝鮮、カンボジア、ボツワナ
中央集権は「東京を牽引車として全国の生活水準を引き上げる」という発想です。一方、地方分権の究極の姿は独立国です。地方分権を議論するには、まずは独立国となった場合どんな生活水準になるのかをイメージすることが重要です。
東京に集まった法人税の奪い合いを「地方分権」と称しているのであれば、それは極めて中央集権的な発想と言えるでしょう。

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