5月 10, 2012
日米のマネタリーベース比較

2012年4月のマネタリーベースを日米で比較してみました。

【日本】 121兆5003億円 → 122億枚(1万円札換算)
【米国】 2兆6327億ドル  → 263億枚(100ドル札換算)


ちなみにリーマン・ショック直前の2008年8月のマネタリーベースは、

【日本】 87兆9433億円 → 88億枚(1万円札換算)
【米国】 8417億ドル   → 84億枚(100ドル札換算)

これを見ると、リーマンショック以降、FRBがマネタリーベースを約3倍に増やして金融緩和したのに対し、日銀が増やしたマネタリーベースは3割アップにも満たない金融緩和でしかありません。しかもそのうちの15兆円は今年に入ってから増やしたものです。一体、日銀は3年8ヶ月の間、何をしていたのでしょうか?


(ソース)
http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/mtshtml/m.html
http://www.federalreserve.gov/releases/h3/current/h3.htm
http://www.federalreserve.gov/releases/h3/20090102/

8月 15, 2011
金融政策について

金融政策について、私は以前より「1万円札を100兆円分増刷しろ」と主張しています。日銀がやらないなら、財務省が500円玉を100兆円分鋳造してもいいのですが、コストを考えれば1万円札の方が安上がりです。その場合は「政府紙幣」という手もあります。

このように書くと「がんのさとしはリフレ派だ!」と言われそうですが、私は単純に「現状は、決済手段としての現金が取引量に比べて少ないから市中現金を増やせ」と主張しているだけです。市中の現金量が増えすぎたら「減らせ」と主張します。

まず最初に、現状でどのくらいの現金が市中に出回っているのかを調べます。これは日銀のマネタリーベースを見れば簡単にわかります。日本銀行券発行高(要はお札がどれだけあるか)と貨幣流通高(要はコインがどれだけあるか)の合計が、市中に出回っている現金です。

日銀の2011年6月のマネタリーベースを見ると、日銀券発行高+貨幣流通高=約83兆円となっています。昨年度に比べて1〜2兆円増えているようですが数%のブレです。
http://www.boj.or.jp/statistics/boj/other/mb/base1106.pdf


この83兆円という水準が、取引量に見合っているのか、見合っていないのか。この点が「増やす」「減らす」の判断基準となります。「増やせ」「増やす必要はない」と様々な議論がありますが、具体的な金額を挙げて「増やすべき」「増やす必要はない」という議論を展開している人は少ないように思います。


私は手形取引の規模から、少なくとも200兆円くらいの水準が適切でないかと考えています。

現金決済や、1ヶ月程度の掛取引、小切手による取引は、市中に出回る現金が根拠となっていますが、手形取引は現金による裏付けは不要です。

そこで次のような仮定の下に市中現金の適切な量を考えています。

(1)現金決済、掛取引、小切手等の取引は今の市中現金の水準で適切である
(2)手形取引の分だけ、市中現金が不足している

全銀協の2011年6月の手形交換高はちょっと増えて約38兆円となっています。これは震災の影響かもしれません。
http://www.zenginkyo.or.jp/stats/month1_04/entryitems/tegataz1073.pdf

平成22年度の平均で見ると、約31兆円です。なので2割近く増えています。話はちょっとそれますが、手形取引の急増は、資金ニーズが増えているにもかかわらずマネタリーベースの増加が少ないため、手形取引が増大したという見方も出来ます。
http://www.zenginkyo.or.jp/stats/month1_04/entryitems/tegataz1070.pdf


本題に戻します。これで約31兆円足りないのかと言えば、そうではありません。手形決済は3ヶ月から6ヶ月と長期のものが多いので、資金需要は31兆円の3倍から6倍はあると考えて良いでしょう。

さらに手形交換高は、手形交換所を通じて異なる銀行間(例えば三菱と三井住友など)で手形を交換した金額なので、同じ銀行で決済が行われた取引高は不明です。さらには銀行を通さないで決済された取引高は調べようがありません。

1ヶ月の間に現金は何度も取引に使われるのですが、これらの状況を考えれば、ざっくりした数字ですが100兆円程度市中現金を増やして、市中に200兆円前後の現金が出回るくらいで、ちょうど良いと思います。

今後の課題は、交換所を通じた手形が何ヶ月サイトであるかというデータと、同行間で決済された手形の取引高とサイトを把握することです。これによってより正確な資金ニーズの把握が出来、市場への資金供給が的確に行われるようになるでしょう。

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