電力の自由化
国際基督教大学(ICU)卒、筑波大学大学院博士課程中退。卸売業、小売業、コンサルティング会社経営を経て現職。
みんなの党は、震災の前から電力の自由化を訴えていました。根底にある考え方は、市場原理を通じて消費者に支持される会社が残り、消費者に支持されない会社は自然に淘汰される、というものです。
供給量が少ない自然エネルギーは、需要が増えれば短期的には価格は上がりますが、それが生産コストは高くても供給者の市場参入を促し、中長期的には競争と技術革新によって価格も生産コストも下がります。
一方で、コストが安い?とされている原子力発電でも、アトミックフリーを志向する人が増えれば価格は下がり、その価格が核燃料の最終処分まで含めた本当の生産コストを下回れば、原発は市場原理によって淘汰されます。市場メカニズムは一種の投票であると考えても良いと思います。
今回、みんなの党が法案を提出した国民投票法は、一部でポピュリズムだと批判される方もいらっしゃるようですが、電力の自由化というエネルギー政策決めるマーケティングリサーチだと考えてみてはいかがでしょう?
アトミックフリーな電気を求める人が多いなら、政府は即刻電力の自由化を実施すべきです。
みんなの党は「電力の自由化」をアジェンダ(政策課題)に掲げています。
「電力の自由化」と言ってもピンとこない方もいるでしょう。
その理由は、電力自由化の議論が作り手サイドの議論(例えば、発電・送電の分離など)になっていて、買い手サイド、それも大口需要者ではなく一般家庭の消費者の視点での議論が少ないからかもしれません。
今の電気は、言ってみれば品種も作り方も関係なくブレンドされた標準米のようなものです。電力の自由化は、作り方や品種にこだわってコシヒカリや有機米を選んで買うことが出来るように、電気の作り方を選んで買うことが出来る仕組みです。
こっちの会社は再生可能エネルギーだけで発電している、あっちの会社は色んなエネルギーをブレンドしているけど安い、といった具合に電気を作る会社を選べるのです。
私は有機農産物の販売経験があるのですが、割高な有機野菜の売り方が、割高な再生可能エネルギーの普及のカギになると感じてています。
オーガニックやアトミックフリー、CO2フリー、地産地消というキーワードが付加価値となる様にマーケティング活動を展開すれば、再生可能エネルギーの需要も増え、太陽光発電や小水力発電に参入する会社が増え、競争によって再生可能エネルギーの価格が下がり普及するでしょう。
お米は自由化によって、ブレンド米だけでなく付加価値の高いブランド米という選択肢が増えて、消費者・生産者双方にメリットをもたらしました。電気の世界でも同じことが言えるでしょう。
食糧もエネルギーも「安全保障を担保した上での国際価格との競争」という難しい舵取りが求められます。安全保障は政治と行政が責任を持って担保しなければなりませんが、国際価格との競争はもっと民間の活力を利用すべきでしょう。